大生運輸 環境部

引っ越しごみは引き取りダメ?

「廃棄物処理業の許可がないのに、引っ越しで出る粗大ごみを引き取るのは違法」。 引っ越し業者に廃棄物処理法を厳格に適用するという環境省の新方針に、業者などの間から反発が広がっている。 「不要品の処理は国も認めた我々の業務。しゃくし定規に法律を適用されると、お客様にかえって迷惑がかかる」と撤回を求めている。 引っ越しで出る家具や電化製品などの不要品は、法律上、一般廃棄物に相当する。 引っ越し業者が引き取るには一般廃棄物処理業の許可が必要だが、大半の業者は無許可で引き取り、環境省やごみを処理する自治体も黙認してきた。

ところが、平成14年10月、顧客の事業所から出たごみを別の業者を通じて不法投棄していたことが明るみに出た。 引っ越しのごみではなかったが、環境省は他の引っ越し業者も不法投棄をしている可能性があると、無許可で引き取った場合には5年以下の懲役か1千万円以下の罰金の規定がある廃棄物処理法を厳格に適用する方針に転換。 マニュアルを作り、都道府県を通じて、正しい処理方法を広報する準備をしている。

だが、引っ越し業者の間からは「国土交通省の『標準引越運送約款』には、不要品の処理が業務に入っている」などと反発が続出。 「引越専門協同組合北海道」は平成14年12月、引き取りは処理に困る顧客の要望に応えるもので、業者の多くは無許可でも適正に処理しており、違法にならないようにするべきだという要望書を環境省に出した。 札幌市も同様に、特例で適法と認めるべきだとする要望書を16日、同省に出した。 反発の強さに驚いた環境省は、方針の見直しも検討している。 ただし、「善意の業者ばかりではない」とし、何らかの規制は必要という。

2003/01/20(月)

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